第二新卒でコンサルに転職するには?必要なスキルや選考対策を紹介
企業名が入ります

近年、キャリアを見直すタイミングでコンサルティング業界への転職を目指す人が増えています。ただ、人気の高い業界であるため、転職のハードルは決して低くありません。
「第二新卒でもコンサルタントになれるのか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。結論から言えば、第二新卒からでもコンサルタントへの転職は十分に可能です。ただし、必要なスキルを備え、しっかりと対策する事が重要です。
本記事では、第二新卒がコンサル業界を目指す際に知っておくべき市場の現状、求められるスキル、そして選考突破に向けたポイントなどを詳しく解説します。第二新卒でコンサル転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも第二新卒でコンサルに転職できる?
第二新卒からコンサルティング業界への転職は十分に可能です。実際、多くのコンサルティングファームが第二新卒の採用に積極的な姿勢を示しており、「未経験者OK」と明記された求人も増えています。特にKPMGなどの大手企業では、第二新卒層を対象とした採用枠を設け、優秀な人材の獲得を図っています。
コンサル業界が第二新卒に注目する背景には、次のような理由があります。
・コンサルティング市場の拡大と人材不足:
業界全体の成長により、特に若手層(ジュニアクラス)の人材ニーズが高まっている。
・新卒採用の限界と競争激化:
優秀な新卒人材を確保する競争が激化しており、採用チャネルの多様化が不可欠となっている。
・多様なバックグラウンドのニーズ:
クライアント課題の複雑化に対応するため、異業界出身者の視点や経験を求める動きが強まっている。
・育成効率の高さとカルチャーフィット:
第二新卒はビジネスマナーを習得済みで、かつ柔軟性が高いため、新たな企業文化にも適応しやすいと評価している。
・過去の成功事例:
実際に第二新卒から採用した人材が活躍している実績が、さらなる採用意欲を後押ししている。
また、第二新卒向けの採用では、将来性を重視する「ポテンシャル採用」が主流です。未経験であっても、コンサルタントとして成長できる素質を示せれば、十分にチャンスを掴むことができるでしょう。
第二新卒におすすめのコンサルティングファーム
志望するファームの選択は、キャリア形成に直結します。ファームによって成長できる領域、専門性の高め方が大きく異なるためです。
ここでは、第二新卒におすすめしたい「戦略系」「総合系」「IT系」のコンサルティングファームについて、それぞれの特徴とともに紹介していきます。
戦略系コンサル
戦略系コンサルティングファームは、企業の経営戦略立案をはじめ、新規事業開発やM&A支援など、ビジネスの根幹に関わる助言を行います。
代表的なファームは次のとおりです。
・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストン コンサルティング グループ(BCG)
・ベイン・アンド・カンパニー
戦略系はコンサルティング業界の中でも特に難易度が高い領域ですが、第二新卒枠でポテンシャル重視の採用を行っているファームもあります。前職での実績よりも、これからの成長性や学習意欲をアピールできるかが大きなポイントです。ケース面接など対策すべき選考プロセスは厳格ですが、入社後は高い専門性を磨きながら、スピーディーにキャリアアップできる環境が整っています。
総合系コンサル
総合系コンサルティングファームは、戦略立案、業務改善、人事・組織改革、リスク管理など、幅広い領域で企業課題の解決を支援します。クライアントの経営戦略を描くだけでなく、実行フェーズまで一貫して関わる点が大きな特徴です。
代表的なファームは次のとおりです。
・デロイト トーマツ コンサルティング
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング
・PwCコンサルティング
・KPMGコンサルティング
・アクセンチュア
総合系ファームは取り扱うプロジェクトの幅が広く、配属部門やプロジェクト内容によって求められるスキルも異なります。そのため、「実行支援にも携わりたい」「幅広い領域から自分に合った専門性を見つけたい」という第二新卒にとって、非常に適した環境といえるでしょう。
IT系コンサル
IT系コンサルティングファームは、企業のIT戦略立案、システム導入支援、DX推進など、デジタル領域に特化したコンサルティングサービスを提供します。
代表的なファームは次のとおりです。
・アクセンチュア(テクノロジー部門)
・IBMコンサルティング
・キャップジェミニ
ITコンサルタントには、技術的な知識が求められる場面もありますが、必ずしもエンジニア出身である必要はありません。むしろ、クライアント企業との橋渡し役として、課題を整理し、最適な解決策を導く「ビジネス側」の役割が重視されるケースが多く見られます。
現在、企業のDX需要は急速に高まっており、ITコンサル領域の採用ニーズも拡大しています。高い学習意欲があれば、未経験からでもキャリアを築きやすい分野といえるでしょう。
第二新卒でコンサルに転職するメリット
第二新卒でコンサルタントに転職することには、次のようなメリットがあります。
・前職の経験を活かせる
・どの職種でも通用するスキルが身につく
・スピーディーに昇進できる
詳しく見ていきましょう。
前職の経験を活かせる
第二新卒でコンサルに転職するメリットのひとつは、前職で培ったビジネス経験を武器にできる点です。たとえば営業職であれば顧客折衝力、エンジニアであれば問題解決力など、これまでに培ったスキルがコンサルティング業務に直結します。
第二新卒は、完全な未経験者と比べて、社会人基礎力や現場経験を備えているため、配属やプロジェクトアサインの幅が広がりやすく、立ち上がりも速いと期待されています。その結果、早期に成果を上げやすく、キャリアのスタートダッシュを切れる可能性が高まります。
また、前職の業界知識を活かせる場面もあり、特定領域に強みを持ったコンサルタントとして成長するチャンスにもつながります。
どの職種でも通用するスキルが身につく
コンサルタントは、さまざまな企業課題に対応するプロフェッショナルです。そのため、転職後に身につくスキルは非常に汎用性が高く、どの業界・職種でも価値を発揮できるものばかりです。
具体的には、次のようなスキルが自然と磨かれていきます。
・論理的思考力
・課題設定力
・仮説検証スキル
・コミュニケーションスキル
・プロジェクトマネジメント能力
これらのスキルは、コンサルタントとして成果を上げるために不可欠であり、実務を通じて実践的に養われていきます。自分自身の市場価値を高めるうえで、第二新卒のうちにコンサルティング業界に挑戦することは、大きなアドバンテージになるでしょう。
スピーディーに昇進できる
コンサルティングファームは実力主義の文化が根付いており、年齢や在籍年数に関係なく、成果を出した人が正当に評価されます。第二新卒で入社した場合でも、成果次第では20代後半でチームを率いるポジションに昇進することも十分可能です。
柔軟な思考力や高い吸収力、ストレス耐性といった第二新卒ならではの特性を活かして活躍できれば、同世代と比較して高い年収を得るチャンスも広がります。第二新卒でコンサルに転職することは、短期間で自分の市場価値を飛躍的に高めるための、有力な選択肢となるはずです。
第二新卒からコンサルタントを目指す際に必要なスキル5つ
第二新卒でコンサルタントを目指すなら、未経験であっても「伸びしろ」を示すことが大切です。企業側もポテンシャル採用を行っていますが、コンサルタントという職種の特性上、最低限押さえておくべき基本的なスキルは存在します。
ここでは、第二新卒でコンサルタントを目指す際に、身につけておきたいスキルを5つ紹介します。
1. 論理的思考力
論理的思考力とは、複雑な情報を整理し、筋道立てて矛盾のない結論を導き出す力のことです。コンサルタントは、クライアント企業の課題を構造化し、解決策を論理的に組み立てる力が求められます。
第二新卒の場合、豊富な実務経験ではなく、こうした「考える力」を発揮することが重要です。特に選考過程で行われるケース面接では、この能力がストレートに試されるため、日頃から「なぜそうなるのか」「ほかにどんな可能性があるか」と自問しながら、思考を深める習慣をつけておきましょう。
2. コミュニケーションスキル
コンサルティング業務では、クライアント企業の担当者や社内チームとの連携が欠かせません。そのため、相手の話を正確に聞き取り、自分の考えを端的に伝えるコミュニケーションスキルが求められます。
相手の意図を汲み取り、必要な情報を引き出し、相互理解を深める力は、プロジェクトを円滑に進めるうえでも重要な要素です。選考段階では、前職での顧客対応経験やチーム内での連携・調整経験を、アピールポイントとして活かすことができるでしょう。
3. リサーチスキル
コンサルティングプロジェクトの初期段階では、課題解決に向けた情報収集が不可欠です。業界動向、競合情報、社内データなど、膨大な情報の中から必要なデータを選び出し、整理・分析する力が求められます。
また、リサーチによって得られた情報をもとに仮説を立て、さらに深く検証していくプロセスも重要です。リサーチスキルは、課題設定や提案の精度を高めるための基盤となります。
第二新卒の段階で、リサーチの基本的な手法や、情報の信頼性を見極める目を養っておきましょう。
4. プレゼンテーションスキル
どれだけ優れた提案内容でも、相手に正しく伝わらなければ成果にはつながりません。コンサルタントには、ロジカルで説得力のあるプレゼンテーションスキルが求められます。
コンサルティングにおけるプレゼンは、クライアントの理解と納得を得るための重要なプロセスです。そのため、構成の組み立て方、話し方、資料デザインに至るまで、総合的にスキルを磨く必要があります。前職での社内プレゼン経験や、営業提案活動などを具体的なエピソードとして整理しておくと、選考時に強みとしてアピールできるでしょう。
5. 語学力
グローバル化が進む中で、英語力をはじめとする語学力の重要性はますます高まっています。特に外資系ファームや海外プロジェクトを手がける企業では、ビジネスレベルの英語力が求められる場面も少なくありません。
大手ファームでは、入社後に海外案件にアサインされるケースもあり、英語力の有無が将来のキャリアの選択肢を大きく左右します。TOEICスコアなど客観的な指標があれば、選考時に強みとしてアピールできるでしょう。
第二新卒からコンサルタントとして採用されるための選考対策
コンサルティング業界の選考は、一般的な転職活動と比べて、求められるレベルも対策の質も高くなります。
ここでは、採用を勝ち取るために押さえておくべき4つの対策について、具体的に解説していきます。
自分に合った職種を見つける
コンサルティング業界には、戦略、業務改革、IT、リスク管理など、多種多様な領域があります。ファームやポジションによって担当する領域や求められるスキルは大きく異なるため、まずは自分に合った方向性を見極めることが重要です。
第二新卒の場合、キャリアの土台をこれから築いていく段階にあるため、将来どの分野で専門性を高めたいか、どのようなスキルを伸ばしたいかを具体的に考えておく必要があります。自分に合った職種をしっかり選べれば、志望動機に一貫性が生まれ、企業側にも高い熱意と適性を効果的にアピールできるでしょう。
企業への理解を深める
コンサルティングファームごとに、得意分野や組織文化、求める人材像には大きな違いがあります。選考を受ける企業について、事前にリサーチを重ね、しっかり理解を深めておくことが重要です。
面接では必ず、「なぜこの企業を志望するのか」が問われます。単なる知名度や条件だけで選んだ印象を与えないためにも、企業のミッションやビジョン、過去のプロジェクト事例などを深く調べ、自分のキャリアプランと重ね合わせたうえで語れるように準備しておきましょう。
面接対策を万全に行う
コンサルティング業界の面接では、通常の質疑応答に加えて、ケース面接やフェルミ推定など、思考力を問う選考が一般的に行われます。ここでは、正解を求められるのではなく、仮説構築力や柔軟な発想、筋道立てた説明力など、考え方そのものが重視されます。そのため、日頃から論理的に考え、分かりやすく説明するトレーニングを積んでおくことが不可欠です。
また、第二新卒の場合は、現職での経験が浅い分、ポテンシャルや成長意欲をどれだけ伝えられるかが評価を左右します。自己紹介、退職理由、志望動機といった基本項目についても、自分の強みや志向性と一貫性を持たせたストーリーに仕上げることが、面接突破の鍵となるでしょう。
エージェントを利用する
第二新卒からコンサルタントを目指す場合、転職エージェントの活用は非常に有効です。特にコンサルティング業界に精通したエージェントであれば、一般には出回っていない非公開求人の紹介や、企業ごとの選考傾向に合わせた面接対策支援を受けることができます。
また、第二新卒ならではの強みやポテンシャルを引き出し、応募書類のブラッシュアップやキャリア相談にも乗ってもらえるため、自力だけでは難しい情報収集や戦略立案が可能になります。
以下の表に、エージェントを利用するメリットをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
第二新卒でコンサルに転職する際のよくある質問
コンサル業界への転職を目指す第二新卒の方々からは、よく似た悩みや疑問が寄せられます。ここでは、特に多い質問について、わかりやすく回答します。
Q. 未経験からでもコンサルタントは目指せますか?
はい、未経験からでも十分に目指せます。
男性・女性問わず、私立大学出身者でも国公立大学出身者でも、実力次第で十分にチャンスがあります。実際、多くのコンサルティングファームでは、第二新卒や未経験者を歓迎する採用枠を設けています。
企業が重視するのは、コンサルタントに必要なスキルや、これからの成長性、そして学習意欲です。未経験の場合は「なぜコンサルタントを目指すのか」という志望動機を明確に固め、自己PRで成長意欲とキャリアビジョンを具体的に伝えることが重要です。
Q. コンサルタントの求人情報はどこで見つけられますか?
コンサルタントの求人情報は、主に以下の方法で探すことができます。
・各コンサルティングファームの公式採用サイト:
大手ファームを中心に、第二新卒歓迎の求人情報が掲載されていることが多く、定期的に更新されています。
・一般的な転職サイト:
転職市場向けの大手サイトでも、コンサルタント職の求人は数多く見つかります。検索時には「第二新卒歓迎」「未経験可」などのキーワードで絞り込むと効果的です。
・コンサル業界に特化した転職エージェント:
コンサルティング業界に精通したエージェントを活用することで、非公開求人にアクセスできたり、企業ごとの選考対策支援を受けたりすることができます。特に第二新卒向けの求人を紹介してもらえるケースも多く、効率的な転職活動が可能になります。
まとめ
第二新卒からコンサルタントへの転職を成功させるには、入念な準備と対策が不可欠です。第二新卒ならではのポテンシャルを武器に、適切なスキルを磨き、正しいプロセスを踏めば、十分に実現可能です。
ただし、コンサル業界の選考は独自性が高く、情報収集や面接対策にも高いレベルが求められます。効率的に転職活動を進めるためには、コンサル業界に精通した転職エージェントの活用がおすすめです。プロの視点で企業選びや面接対策の支援を行ってくれるため、転職活動において大きな力になるでしょう。
コンサルタントへの転職は簡単な道ではありませんが、自分自身のポテンシャルを信じ、着実に準備を進めてください。
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