フリーターから正社員は可能?ポイントやおすすめの仕事も紹介
企業名が入ります

「このままでいいのだろうか」
「今はいいけど将来が不安」
「フリーターから正社員になれるのだろうか」
フリーターとして働く中で、そんな不安を抱えたことはありませんか?収入や将来への漠然とした不安、年齢を重ねるごとに増していく焦り、これらは決してあなただけの悩みではありません。
本記事では、フリーターから正社員を目指すための道筋や押さえておきたいポイント、正社員になることのメリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、おすすめの職種や企業選びの注意点も紹介します。現在フリーターとして働いている方、これから正社員を目指したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【結論】フリーターから正社員になるのは可能!
結論から言えば、フリーターから正社員になることは十分に可能です。ただし、誰でも簡単に正社員になれるという話ではありません。可能性はありますが、それを現実にするには「戦略」と「行動」が求められます。
日本の雇用環境では、いまだに新卒者が優遇される傾向が根強く残っています。そのため、既卒で正社員経験のないフリーターは、就職市場においてやや不利な立場にあるのは事実です。しかし近年では、少子高齢化による人材不足や、若手の早期離職率の上昇といった背景を受けて、未経験者を積極的に採用し、育成しようとする企業が増えています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、20代後半のフリーターであっても、6割以上が正社員としての就職に成功しています。これは、決して平坦な道ではないものの、フリーターから正社員になる道がしっかりと開かれていることを示していると言えるでしょう。
引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 p124 図表4-28 男女別・年齢別 正社員になろうとした者のうち、正社員になれた割合」
フリーターから正社員へ転職する主なルート
フリーターから正社員になるには、いくつかの方法があります。現状やキャリアビジョンを踏まえて、最適なルートを選びましょう。
以下で、フリーターから正社員へ転職するための主なルートを紹介します。
求人サイトからの応募
求人サイトは、自分のペースで応募する企業を探せる手軽さが魅力です。多くのサイトでは「未経験OK」「学歴不問」などの条件で求人を絞り込めるため、フリーターにとっても効率的な方法と言えるでしょう。
ただし、誰でも応募できる分、競争率は高めです。書類選考や面接では、他の応募者と差をつけるための工夫が求められます。また、求人サイトの情報だけでは企業の実態を把握しづらいため、ミスマッチやブラック企業を避けるためにも、企業研究は入念に行う必要があります。
転職エージェントの活用
正社員を目指す場合に、最もおすすめしたいのが「転職エージェント」の活用です。
専任のキャリアアドバイザーが担当につき、自己分析のサポートから企業選び、応募書類の添削や面接対策まで、幅広く手厚い支援をしてくれます。
さらに、エージェントを通じて紹介される求人には、一般には公開されていない「非公開求人」が多く含まれています。企業の内情や職場の雰囲気、人間関係といった、表には出てこない情報も教えてもらえるので、ミスマッチを避けるうえでも大きな助けになるでしょう。
また、プロの視点から自分に合った求人を厳選してくれるので、採用の可能性も自然と高まります。フリーターとしての経験しかなくても、エージェントが応募者の持つポテンシャルを企業にしっかり伝えてくれます。「何から始めればいいのかわからない」と感じている方にとっては、心強いパートナーになるでしょう。
紹介予定派遣の利用
紹介予定派遣とは、はじめに派遣社員として一定期間働いたうえで、企業と本人の双方が合意すれば、正社員として採用される仕組みです。実際の職場で業務を経験しながら、職場の雰囲気や働き方、自分との相性などを確認できるため、入社後のミスマッチを減らしやすいという特徴があります。
一方で、必ずしも正社員として採用されるとは限らない点には注意が必要です。企業側の判断や選考結果によっては、採用に至らないケースもあります。紹介予定派遣を利用する際は、正社員登用が前提となっているかどうか、またその条件や選考の流れについて、あらかじめ確認しておくことが必要です。
正社員登用制度を活用
正社員登用制度とは、アルバイトやパートとして働く人を、実績に応じて正社員に採用する制度です。企業側にとっては、実際の勤務態度やスキルを見極めたうえで登用できるというメリットが有り、働く側にとっても、職場の雰囲気や業務内容を十分に把握したうえで判断できるという安心感があります。
もし、現在の職場に正社員登用制度があるなら、それを活用するのは有効な手段と言えるでしょう。ただし、「登用制度があるから」という理由だけで職場を選ぶのは注意が必要です。制度があっても、実際にはなかなか正社員になれず、長くアルバイトのままというケースも少なくありません。制度の有無だけでなく、過去の登用実績も確認しておくことが大切です。
フリーターから正社員になるメリット
フリーターという働き方には、時間の自由や柔軟な勤務スタイルといった魅力があります。一方で、将来に対する不安を抱えている人も少なくないでしょう。
では、正社員になると、そうした不安は解消されるのでしょうか。
ここでは、正社員として働くことで得られる代表的なメリットを6つ解説します。
雇用の安定性を得られる
正社員として働く最大のメリットは、やはり雇用の安定性にあります。
フリーターの場合、企業側の都合によって突然契約が終了してしまうリスクがつきまといます。しかし正社員であれば、基本的に無期雇用であるため、よほどの事情がない限り、簡単に職を失うことはありません。
不況のような厳しい状況下でも、仕事を続けることができるという安心感は大きなメリットと言えるでしょう。雇用が安定すれば、結婚や住宅購入など、長期的なライフプランも立てやすくなります。
毎月の安定した収入を確保できる
フリーターは、基本的に時給制です。働いた分だけ収入が得られる一方で、シフトが減ればその分収入も下がってしまいます。また、時給は最低賃金をベースに設定されることが多く、大幅な昇給は期待できません。どれだけ長く働いても、収入が急激に増える仕組みにはなっていないのが現実です。
その点、正社員であれば、毎月の基本給に加えて賞与や昇給制度が整っている企業が多く、経験や成果に応じて収入が増えていく可能性があります。安定した収入が見込めるため、将来を見据えた生活設計もしやすくなるでしょう。また、自分の努力が収入というかたちで反映されることで、働くモチベーションにもなります。
社会的信用を得られる
正社員になると、社会的な信用が大きく高まります。これは、住宅ローンや賃貸契約、クレジットカードの審査といった日常のさまざまな場面で実感できるでしょう。金融機関や不動産会社は、返済能力や支払いの安定性を判断する際に、「安定した継続収入があるかどうか」を重視するからです。
また、転職の場面でも、正社員として働いていることは一定の信頼材料になります。反対に、正社員としての経験がない、もしくは現在フリーターであるという状況は、採用側にとって不安要素と受け取られてしまいます。
福利厚生を得られる
福利厚生を受けられるという点は、正社員ならではの大きなメリットでしょう。企業によって内容は異なりますが、通勤手当や住宅手当、健康診断、社員割引、資格取得支援など、日々の暮らしを支える制度を利用できます。特に大企業では、家族手当や育児支援、社宅や保養施設の利用など、生活の質を高める制度がさらに充実しています。
こうした福利厚生は、フリーターには適用されないことがほとんどです。この差は小さくなく、将来を考えるうえでも見過ごせないポイントと言えるでしょう。
成長できる
多くの企業では、正社員を将来的に組織の中核を担う人材と位置づけ、育成のために積極的な投資を行います。研修制度やOJTに加えて、日々の業務の中でもスキルを磨く機会が用意されているのが一般的です。
さらに、正社員には重要な業務やプロジェクトを任される場面が多く、責任ある役割を果たす中で、課題解決力や判断力といった力が自然と養われていきます。そうした日々の積み重ねは社内での評価や信頼につながり、結果として転職市場での価値をも高める要因となるでしょう。
社会保障を受けられる
正社員は、原則として「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の4つの社会保険に加入できます。これらは公的な保障制度であり、病気やけが、失業といった予期せぬ事態が起きた際に、大きな支えとなってくれるものです。
一方で、フリーターは社会保障に必ずしも加入できるわけではありません。労働時間や勤務形態によっては、条件を満たさず対象外となります。
社会保障は日々の生活では意識しづらいかもしれませんが、いざという場面でありがたさを実感できる重要なメリットです。
フリーターから正社員になるデメリット
フリーターから正社員になることには多くのメリットがある一方で、当然ながらデメリットも存在します。
ここでは、特に多くの人が直面しやすい3つのデメリットを解説します。
時間の自由が減る
正社員になることで、最も大きな変化として感じるのが、「時間の自由」が減ることでしょう。フリーターは、シフトや勤務時間を調整することができるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができます。しかし、正社員になると原則としてフルタイム勤務となり、勤務時間や曜日は固定されます。特に、「平日フル出勤・週休2日」という企業が多く、長期休暇を取るにも業務の調整が必要なケースがほとんどです。
自由な時間が減ることで、趣味や副業、プライベートとのバランスにストレスを感じる人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
責任が増える
フリーターの場合、決められた範囲の業務をこなせば十分とされることが多く、責任の範囲も限定的です。ところが、正社員になると任される業務の幅が広がり、それに伴って責任の重さも増していきます。個人の成果だけでなく、チームや部署全体のパフォーマンスに目を向ける必要も出てきます。一つのミスが周囲に与える影響も大きくなるため、精神的なプレッシャーを感じることもあるでしょう。
こうした責任の重さを「やりがい」と前向きに捉えられる人もいますが、負担に感じる人も少なくありません。
職務が拘束される可能性がある
正社員として働く場合、フリーターと比べて職務や働き方に対する自由度は大きく制限されます。とくに業務内容や勤務場所の裁量は企業側にあり、入社後の働き方が本人の希望と異なるケースも少なくありません。
フリーターであれば、飲食店のホールスタッフやキッチンスタッフのように、職種がピンポイントで明示された求人に応募し、希望通りの業務に従事することが可能です。仕事内容が合わなければ辞める選択もしやすく、副業や掛け持ちも自由です。
一方、正社員は入社時点で担当業務が明確でない場合があります。配属後に業務内容が決まり、その後も会社の判断で部署異動や職種変更、さらには転勤が命じられる可能性もあります。勤務時間や休日の取り方、副業についても会社の就業規則に従う必要があるため、柔軟な働き方は難しくなります。
このように、正社員は「安定」と引き換えに企業の管理下で働く度合いが強まり、職務や働き方において一定の拘束を受ける立場になります。
フリーターから正社員を目指すためのポイント
フリーターから正社員を目指す場合、以下のポイントを押さえておきましょう。
・早めに就職活動を始める
・幅広い業種や職種を検討する
・必要な資格を取得する
・社会人として基本的なマナーやスキルを習得しておく
・求人の条件に優先順位をつける
早めに就職活動を始める
正社員を目指すのであれば、できるだけ早く就職活動を始めましょう。企業は、若年層をポテンシャル重視で採用する傾向があるため、20代前半〜半ばまでであれば、未経験でも採用されやすくなります。逆に、年齢が上がるにつれて即戦力が求められるため、選択肢が狭まってしまいます。
さらに、フリーターとして過ごす期間が長くなるほど、正社員として採用される可能性も下がっていきます。以下の図表は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表したデータで、フリーターの継続期間と正社員になれた割合の関係を示しています。数値にばらつきはあるものの、フリーター期間が長くなるほど正社員になれた割合が低くなっていることがわかります。
「いつか就職しよう」と構えるのではなく、「思い立ったらすぐ動く」ことが何よりも大切です。
引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 p128 図表4-43 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合」
幅広い業種や職種を検討する
正社員を目指すにあたっては、最初から業種や職種を絞り込みすぎないことが大切です。選択肢を狭めてしまうと、応募可能な求人そのものが限られてしまいます。
特に、未経験者を歓迎している職種では、正社員として採用される可能性が高くなります。これまで「自分には向いていない」と感じていた業界や職種にも、一度は目を向けてみましょう。調べていく中で、仕事内容や働き方に納得できるポイントが見つかることもありますし、自分でも気づいていなかった適性が見えてくることもあります。
「これしかない」と決めつけず、柔軟に選択肢を広げることが、正社員への近道です。
必要な資格を取得する
資格は、「知識やスキルがある」という証明だけでなく、就職に対する前向きな姿勢や、学ぶ意欲を伝える手段としても有効です。特にフリーターから正社員を目指す場合、実務経験が少ない分、「どれだけ本気か」をアピールする材料として資格は大きな意味を持ちます。
たとえば以下のような資格は、未経験者でも比較的短期間で取得でき、転職活動で評価されやすいものです。
もちろん、資格があるだけで採用が決まるわけではありません。ただ、経験が不足している場合でも、「仕事をするために努力をしている」と評価されるきっかけになります。目指す業界に関連する資格を取得すれば、面接でも話の軸ができ、採用担当者からの信頼にもつながるでしょう。
社会人として基本的なマナーやスキルを習得しておく
未経験者歓迎の求人であっても、社会人としての基本的なマナーやスキルは必要とされます。たとえば、面接時の立ち居振る舞いや敬語の使い方が不自然であれば、社会人としての基本が備わっていないとみなされるかもしれません。表情が乏しく暗い印象を与えてしまえば、コミュニケーション能力に不安を持たれる可能性もあります。また、メールの書き方や履歴書の記載内容にも、ビジネスマナーが表れるものです。
こうした基本的なスキルは、短期間で身につくものではなく、日頃から意識していないと、ふとした場面で粗が見えてしまいます。就職活動を進めるうえでは、企業研究や面接対策と並行して、基本的なマナーやスキルの習得にも取り組んでおくことが大切です。
求人の条件に優先順位をつける
求人を探す際には、条件を細かく指定しすぎないことが大切です。正社員として入社すれば、長く働く可能性があるため、希望をたくさん挙げたくなるのも無理はありません。しかし、すべての条件を満たす求人は、そう多くないのが現実です。
たとえば、「長く働ける職場」を重視するのであれば、職場の雰囲気や定着率に注目すべきです。「将来のためにスキルを磨きたい」という考えなら、給与や待遇よりも、成長の機会が得られるかどうかを優先したほうがよいでしょう。
希望条件を3〜5つ程度に絞り、その中で「絶対に譲れないもの」と「妥協できる点」を整理しておくと、求人選びがスムーズになるでしょう。
フリーターから正社員を目指す際のおすすめ職種
正社員を目指すにあたって、特にフリーター歴が長い方や社会人経験が少ない方にとっては、選ぶ職種によって就職のしやすさが大きく変わってきます。
ここでは、フリーターからでもチャレンジしやすいおすすめの職種を紹介します。
営業職
営業職は、商品やサービスを提案し、契約へとつなげる仕事です。取り扱う商材や対象となる顧客層は業界によって異なりますが、どの分野においても高いコミュニケーション力が求められます。そのため、人と話すことに抵抗がない方や、対話を楽しめるタイプの方には向いているでしょう。
また、学歴や職歴にとらわれず、未経験者を積極的に受け入れている企業も多く見られます。特に「意欲」や「素直さ」といった人柄を重視する傾向があるため、フリーターから目指す場合でも十分なチャンスがあります。
インセンティブ制度を導入している企業も多く、努力が収入やキャリアに反映されやすい職種です。「頑張った分だけ、正当に評価されたい」と考える方にとって、大きなやりがいを感じられるでしょう。
介護職
高齢化が進む日本では、介護職の人材不足が深刻化しており、正社員の求人も比較的豊富にあります。入浴や食事の介助、レクリエーションのサポートといった日常生活の支援が主な業務で、人との関わりを大切にできる方には向いている仕事と言えるでしょう。
「介護職員初任者研修」といった資格を取得しておくと、採用の際にプラスに働くことが多いです。働きながら資格取得を支援してくれる職場も多く、経験を積みながら着実にキャリアを築いていける環境が整っています。
また、介護業界では女性の就業者が多く、家庭との両立を考慮した柔軟な働き方が可能です。たとえば、パートからスタートし、正社員登用を目指せる制度を設けている施設も珍しくありません。
製造業務
製造業務は、ものづくりの現場でコツコツと作業に取り組みたい方に向いている職種です。工場や倉庫での組み立てや加工、検品、梱包といった業務が中心になります。特別な資格やスキルが求められることは少なく、仕事をしながら徐々に流れを覚えていけるので、未経験からでも無理なくスタートできるでしょう。
また、24時間体制で稼働している現場では、夜勤や交替勤務制の場合もあります。そうした勤務形態に対応できる方は、手当が支給される分、収入は安定しやすくなります。
多くの企業では正社員登用制度が整っており、フリーターから安定した働き方を目指すには、良い選択肢となるでしょう。
ITエンジニア
IT業界は慢性的な人材不足が続いており、未経験者を育成する前提で採用する企業が増えてきています。そのため、フリーターから正社員を目指す方にとっては、チャンスの多い分野と言えます。とはいえ、まったくの知識ゼロでは難しいのも事実です。プログラミングの基礎やITに関する基本的な知識は、ある程度身につけておく必要があるでしょう。
代表的な職種には、プログラマーやシステムエンジニア、インフラエンジニアなどが挙げられます。いずれも技術革新のスピードが速く、入社後も学び続ける姿勢やスキルアップへの意欲が欠かせません。「スキルを身につけて成長したい」「長く働ける専門職に就きたい」と考える方にはおすすめの職種です。
小売・販売職
アパレルや家電量販店、スーパーなどの小売・販売職は、未経験からでも正社員を目指しやすい職種のひとつです。仕事内容は、接客対応をはじめ、売り場のレイアウトや在庫管理など多岐にわたります。お客様と直接関わる機会が多いため、サービス精神や細やかな気配りが求められるでしょう。
これまでのアルバイト経験をそのまま活かせるケースも多く、フリーターとしての経歴が強みになる場面もあります。特に接客や販売の現場に慣れている方にとっては、業務に馴染みやすいはずです。
現場で経験を積んでいけば、店長やエリアマネージャーなど、より責任あるポジションへのキャリアアップも目指せます。「着実にキャリアを築きたい」という方に、特におすすめできる職種です。
施工管理
正社員を目指すなら、施工管理の仕事も有力な選択肢のひとつです。建設業界では人手不足が続いており、未経験者を歓迎する企業も少なくありません。男性の多い職種ではありますが、近年は女性の施工管理者も増えてきました。ダイバーシティを重視する企業も増加しており、性別に関わらず活躍できる環境が少しずつ整ってきています。
施工管理は、建築現場の進捗や安全管理に加え、職人たちと連携しながら工事がスムーズに進むよう調整する役割を担います。責任は大きいものの、やりがいも感じやすい仕事です。最初は補助的な業務からスタートするケースが多いため、業界未経験でも安心して始められます。現場経験を重ねながら、施工管理技士などの国家資格を取得すれば、キャリアや収入アップも期待できます。
コールセンター
フリーターから正社員を目指す上で、コールセンターは比較的ハードルが低く、スタートしやすい職種の一つです。未経験からの採用が多く、入社後の研修も整っている企業が多いです。
業務内容は、顧客からの問い合わせに対応する「インバウンド」と、企業側から発信する「アウトバウンド」に大きく分かれます。担当する内容は勤務先によって異なりますが、基本的にはマニュアルに沿って対応するケースがほとんどです。
電話応対に抵抗がなく、丁寧なコミュニケーションができる方であれば、特別なスキルや経験がなくても採用される可能性は高いでしょう。さらに、正社員登用に積極的な企業も多く、安定した雇用を目指す方にとっては、非常に有望な選択肢といえます。
フリーターが正社員になる際の企業選びの注意点
正社員として働くうえで、「どの企業に入るか」は将来を大きく左右すると言っても過言ではありません。「とにかく正社員になれればいい」と求人票だけを見て判断してしまうと、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することもあります。
ここでは、応募する企業を探す際にチェックすべき4つの注意点を紹介します。
募集期間が長い
求人情報が何か月も掲載され続けている企業には注意が必要です。なぜなら、採用が決まっていない=人気がない、あるいはすぐに人が辞めてしまう環境の可能性があるからです。
もちろん、事業拡大や複数名採用のために長期間募集しているケースもあるため、すべてが悪いとは限りません。ただし、何年も継続的に同じ職種・条件で募集している場合には、定着率の低さや職場環境の悪さが疑われます。
応募前に、企業の採用実績や在籍年数の平均などを確認しましょう。
異様に給料が高い
未経験者向けの求人にもかかわらず、初任給が相場より極端に高い場合は要注意です。高給をエサにして、実際には過酷なノルマや長時間労働が課される「ブラック企業」の可能性があります。
特に、「固定残業代込み」「インセンティブあり」と記載されている場合は、内訳をよく確認することが大切です。残業代が基本給に含まれていて、実質的な手取りが少ないというケースも少なくありません。
給与が高い理由が明確に説明されていない場合や、業務内容と釣り合っていないと感じた場合は、慎重に判断しましょう。
口コミが低い
企業の実態を知るうえで、社員や元社員による口コミ情報は貴重な判断材料となります。ネット上の大手口コミサイトでは、実際の職場環境や社風、上司の評価、残業時間などがリアルに共有されています。
ただし、口コミはあくまで個人の主観によるものであり、感情的な投稿や偏った意見も含まれるため、鵜呑みにするのではなく「複数の声」を見て全体像を把握することが大切です。
一方で、口コミがほとんど存在しない企業は、情報公開に消極的だったり、社員数が極端に少ないケースも考えられるため、慎重な調査が必要です。
離職率が高い
離職率の高さは、その職場の働きやすさを判断する大きな指標です。たとえば、入社3年以内に半数以上が辞めているような企業では、何らかの構造的な問題がある可能性があります。
とはいえ、建設業や外食業界などは業界全体として離職率が高めであるため、単に数字だけで判断するのではなく、「なぜ辞めているのか」に着目することが重要です。退職理由が「キャリアアップのため」「育成期間を終えて独立」など前向きなものであれば、それほど心配する必要はありません。
求人情報に離職率が明記されていない場合は、面接時に「社員の平均勤続年数」や「退職理由の傾向」を質問してみるのもひとつの方法です。
まとめ
フリーターから正社員を目指すことは、決して無謀な挑戦ではありません。むしろ、近年は人手不足や働き方の多様化を背景に、未経験者にもチャンスが広がっています。学歴や職歴だけで評価される時代ではなくなりつつあり、採用の現場では「これからどう成長していけるか」という将来性が重視される傾向にあります。
特別なスキルがなくても、柔軟さや誠実さ、自ら学び成長しようとする意欲を持つことが大切です。自己分析を行い、自分の強みや経験を整理することで、進むべき方向が見えてくるはずです。焦らず、着実に準備を進めていきましょう。
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